かぼちゃの馬車問題

社会問題となった「かぼちゃの馬車問題」でオーナー被害者の方々の救済に当たっているサブリース問題解決センターの方から、お話を伺う機会がありました。

サブリースとは:不動産管理会社などが住宅を一括で借り上げ、それを転貸するというもの
物件所有者は、入居者に関する管理等をすべて不動産管理会社に任せることができ、一定の賃料を受け取れる。多くの場合、空室があっても一定の家賃が支払われる「家賃保証」が謳われている。

私は当初、被害にあわれたオーナーさんは大都市周辺地域の地主さん達だと思っていました。

ところが実際には、上場企業のサラリーマンや勤務医など年収が800万円以上の方々を中心にシェアハウスオーナーの勧誘活動が行われ、被害者となっていました。

相続対策のサブリース住宅物件とは最初からターゲットが違っていて、ごく普通のサラリーマン向けの「投資物件」として販売されたようです。

勧誘トークの一部には「万が一損が出た年があっても、給与所得と通算できますから税金が戻ってきます。」という言葉も含まれています。

サラリーマンを狙う怪しい不動産の「投資勧誘」はまだまだあります。

不動産の「投資勧誘」

知人の例を1つお話します。

彼は中部地方に暮らすサラリーマンのAさん。

50代、子供3人(うち1人は既に独立)、妻の4人暮らしです。

ある日突然、会社に電話が入ります。

内容はというと、こんなおいしい投資話。

東京近郊の新築マンションへの不動産投資なのですが、

・不労所得で財産が築ける
・サブリース30年間家賃保証
・頭金はゼロ円
・投資利回り6%以上
・ほったらかしで収益を得ることができる
・当初損がでても現在の給与から天引きされている税金が戻ってくる(節税)
などなど・・・

Aさんの場合には「いい歳をして子供になんの財産も残せないなんて、男としてどうなの?」とまで言われたそうです。もうこれって脅しですよね。

「頭金なしで数千万の融資なんて、どうせ自分は通らないよ」というと「では、銀行の審査だけでも受けてみませんか?」ということになり、結果「銀行の審査通りました!」となる。

銀行が認めたとなると、なんとなく物件も信用できるような気がしてしまう方も多いようです。

「でも家族には反対される」、「実印は妻が管理しているから無理」などと抵抗したものの、なんと実印の改印方法まで伝授され、結局、この投資不動産を購入してしまいます。

しかも1物件ではなく3物件。

ちなみにご本人は、その実際の物件を見に行ったことさえありません。

結局、数年後キャッシュフローがマイナスになり、自分のお小遣いではローンがまかなえなくなったため、妻に話した事で露見しました。

怖いですね。

不動産投資にはご注意を

会社にかかってくる突然の勧誘の電話には、注意してください。そんなうまい投資話が転がってくる奇跡はありません。