自社株の評価額

社長!自社株の評価額をご存知ですか?

「自社株の評価」がそもそもどういうことかわからないという社長も大丈夫!初心者にも易しくご説明します。

株式を上場・公開している大企業なら、日々の株価チェックはかかせませんよね。一方で、世の社長の中にも「普段から株価チェックなんてしないよ」という方もいらっしゃると思います。

もしiPhoneを使っている人なら、試しにSiriに「今日のトヨタの株価を教えて?」と訊いてみてください。証券取引所で現在取引されている価額をきちんと答えてくれますよ。便利ですよね。

では、突然ですが質問です!

上場・公開していないあなたの会社の株価は1株あたりどのくらいの価額なのでしょうか?




さっぱり分からなかった方。大丈夫です。これから知っていきましょう。

取引相場のない株式

例えば、あなたが10年前に資本金100万円 一株1万円の株式を100株発行して会社を設立したとします。

もし10年間ずっと会社の業績が好調で、利益をどんどん溜め込んでいたら、1万円で発行した株式の価額は5万円になっているかもしれません。

一方で、利益は出ていても、配当金の分配や役員賞与などでその利益を会社に残さず、会社の外に出していた場合。そうした場合は会社に利益は残らないので株価も上昇しません。

また、そもそも利益が出ていない場合、当初出資した金額ではお金が足りず社長が自己資金を会社につぎ込んでいたり、

金融機関から融資を受けてまだ返済が残っていたりしたならば、株価は発行価額の1万円を割って半分の5千円に値下がりしているかも知れません。

このような上場・公開していない株式の事を税務署では「取引相場のない株式」と呼びます。そして、取引相場のない株式は、価額の算定方法が決まっています。

相続と自社株

もしかしたら「そんなことを計算して何のためになるの?」「会社を他人に売る気はないのだから、計算したって意味がないよ。」とお思いになる方もいるかもしれません。

ですが、この株式の価額、あなたがお子さんに自社株をプレゼントしたいと考えた時、または、あなたが遠い将来死亡して「相続」という問題が発生した時に大きな問題となってしまいます。

逆に、あなたのお父様が長年会社を経営していた場合、もしかしたらそのお父様の会社の株価は発行価額より何十倍も上がっていて

お父様に相続が発生したとき、多額の相続税が課税されてしまうかも知れないのです。

もちろん、相続税が納税できる分の現金預金も遺産として残してくれていたら大きな問題にはならないかもしれません。

でも納税するための現金や預金が残っていない場合も現実にはあります。

資産を残す側も残される側も、自社株の価額は無縁な存在ではなく、知っておく必要のあるものと理解してください。

では実際の株価の算定方法については、またの記事でご紹介します。