金融機関との付き合い

起業する前は銀行は給与を振り込んでもらうためだけのもの若しくは住宅ローンを借りているところ。その程度のお付き合いしかない方が大半でしょう。

テレビCMのようにサラリーマンで信託の相談や相続の話をしたことがある人なんて、ほんの一握りの日本人だと思います。

起業してもっと事業を大きくするために投資がしたい!だから金融機関から融資を受けたい!と思ったとき

「さて、どうしたものか」と初めて金融機関との付き合い方考えるのが普通です。

決算書は「銀行との会話ツール」

決算申告書はなぜ作られるのか・・・税務申告のために税務署に提出するもの・・・という役割だけではありません。

融資を受けようとする時、開業したばかりでまだ1回も決算を迎えていない場合は別ですが、必ず金融機関から前3期分の「決算報告書」の写しの提出を求められます。

もちろんこれは、その企業が本当に借りた資金を返済できるチカラがあるかどうかを判断するための材料になるからです。

「数字には当事者の考え方が反映される」

正直私も事業再生の案件で、経営状態のよくない企業の決算書を見る機会も多いのですが

決算書の中身の問題よりもその前に「えっ!」と思ってしまうくらい、汚い決算書を目にすることがあります。

決算書が大切に扱われていないのです。

連続して決算書をしまっていないため、机の引出しのあちらこちらから全体が揃っていないコピーが出てきたり、つづり方がいい加減で、ところどころ上下も逆でファイルされていたり。

決算書をつくる立場としては、こんな決算書を見るととても悲しい気持ちになりますが、そんなズサンな姿の決算書は中身の数字もズサン。

数字を大切に考えていない経営者の姿勢がうかがわれます。

経営者の経営に対する姿勢を決算書は反映しています。

私たち税理士にとっては、決算書は「税務申告のツール」でしかありませんが、経営者の方にとってはそれ以上に

「資金調達の生命線」であり
「銀行との会話のツール」です。

決算書は大切に扱ってあげましょう。

融資を受ける原則

多分、私たち税理士以上に金融マンは沢山の会社の申告書を見ています。

ベテランの金融マンならば、その会社が決算書を大切に扱っているか、経営者が数字(お金)をどう考えているのか

一目見て経営者の姿勢までわかってしまうはずです。

金融機関に決算書の中身について説明を求められたとき経営者の方に多いのは

「ボクは数字に弱いから」と決算書の説明を経理担当者や税理士任せにしてしまおうとする方です。

融資を受ける場合これはまず大減点。

経営者が直接、決算書の説明をすることが融資を受ける原則です。

「数字に弱い」「今までどんぶり勘定だったから」では 言い訳になりません。

会社を起こしてから今までのお金の流れや経営成績が自分の言葉で説明できるようにこれは日頃から勉強してください。

いざ融資を受けようと思ってから付け焼刃の一夜漬けではすぐにバレてしまいますから。

真摯に向き合う

経営成績が良くない決算書であってもウソはつかないこと。

数字は常に連続しています。

一度ウソをつくと辻褄があわなくなり、またその次もウソをつかなければならなくなります。

たとえ現在の経営成績が悪くても、その対処方法や今後の経営計画のなかで挽回の策を持ち

真摯な態度で応じれば融資が無理ということはありません。

ここまでは融資を受ける際の姿勢についてお話しました。

次回は実践編のお話をします。