税理士会で大反対していた消費税の軽減税率(複数税率)の導入ですが、どうにも避けられない事態になってきています。

「軽減税率」この耳障りのよい言葉の裏に中小企業者を陥れるワナが隠れています。

消費税の税率が2種類になります。しかも、同じ食料でもイートインとテイクアウト税率が異なります。その判別にかかる事務コストはみんな事業者負担となるのです。

当然価格にも反映されるでしょう。

大企業はそれをまかなうことも大して影響はないと思いますが、零細企業にとってはそれはとてつもない負担です。

事業者だけでなく徴税側の事務コストだって無駄にかかると思うのですが…。

そして軽減税率の対象品目は「酒類・外食を除く飲食料品」と「週2回以上発行される新聞の定期購読寮」ということですが、この軽減税率の導入による減税効果は年間1兆円。

そもそも税収不足だから消費増税するのですよね。

この1兆円(国税分0.8兆円)はどうやって補うの?同じ1兆円減税するなら、全体の消費税率を一律9.5%でもすればよいのに。

貧困層だって食品以外の支出もあります!貧困層は外食するなっていうこと?家食よりリーズナブルな外食だって沢山あるのに…。

ちなみに消費税の申告事務負担も恐ろしく増えてしまいます。

私の事務所のような弱小税理士事務所は、その負担を顧客にそのまま転嫁することもままならず、インボイス方式なんてきいただけで眩暈がしそうです。